超能力者
ある超能力者が、勢いよく石につまずいた。
両手に買い物袋を持ったまま離すことも出来ず、眼前に迫る地面に慌てた彼は、めったに行使しない能力を咄嗟に使ってしまった。
「時間よ、止まれっ」
確かに時間が止まり、すべてのものが静止している。
だが彼の能力の特徴は、静止させた世界を自由に動きまわれる事なのである。
「はぁぐわぁっ……」
自ら静止させている世界で彼は、つぶれた生卵のパックを抱え、大量の鼻血を流しながら途方に暮れていた。
超能力者
ある超能力者が、勢いよく石につまずいた。
両手に買い物袋を持ったまま離すことも出来ず、眼前に迫る地面に慌てた彼は、めったに行使しない能力を咄嗟に使ってしまった。
「時間よ、止まれっ」
確かに時間が止まり、すべてのものが静止している。
だが彼の能力の特徴は、静止させた世界を自由に動きまわれる事なのである。
「はぁぐわぁっ……」
自ら静止させている世界で彼は、つぶれた生卵のパックを抱え、大量の鼻血を流しながら途方に暮れていた。