二流な男
それは、ほんの一瞬の出来事だった。
深夜一時。灯りが煌々とついた寝室に入ると、開けられたカーテンの横に男がいた。
闇と見まがう漆黒の服。殺意を宿した鈍く輝く眼差し。こちらを向く、冷たい銃口。
殺られる。
反射的に指先が反応し、おれの銃が火を噴くと同時に、男の銃も轟音を放った。
銃弾はどこからどう見ても殺し屋然とした男の額に風穴を開け、撃たれた間抜け男は派手な音を響かせ、粉々に砕け散っていった。
「うそっ、窓ガラス?」
カチリ。
どこからか、撃鉄を起こす音がした。
そして……。