二流な男

           二流な男
250_25_syo2.png


 それは、ほんの一瞬の出来事だった。
 深夜一時。灯りが煌々とついた寝室に入ると、開けられたカーテンの横に男がいた。
 闇と見まがう漆黒の服。殺意を宿した鈍く輝く眼差し。こちらを向く、冷たい銃口。
 殺られる。
 反射的に指先が反応し、おれの銃が火を噴くと同時に、男の銃も轟音を放った。
 銃弾はどこからどう見ても殺し屋然とした男の額に風穴を開け、撃たれた間抜け男は派手な音を響かせ、粉々に砕け散っていった。
「うそっ、窓ガラス?」
 カチリ。
 どこからか、撃鉄を起こす音がした。
 そして……。